2017年にIPOしたテック系企業のまとめ

投稿日:2017年5月22日 カテゴリー:テック系, 個別企業、業界まとめ

3月2日のスナップ上場を皮切りに、2017年は時価総額1,000億円を超えるテック系企業の上場が相次ぎましたので、その企業を整理しました。スナップを除けば、エンタープライズ向けのテック系企業ばかりとなっています。全体的にIPOは非常に成功しており、営業赤字であるにもかかわらず、将来性を買われた高い株価で取引されています。

Snap(ティッカー:SNAP)

出典:Stockcharts.com

まず、Snapです。10秒で写真が消えるSNS「SnapChat」を運営しています。年間売上高は400億円、営業利益は▲500億円というまだまだ赤字の会社ですが、MAU(月間ユーザー数)は2億人近くいます。ミレニアル世代が好んで使うということもあり、ミレニアル世代に広範囲にリーチできる広告媒体として株式市場から注目を集めています。平均出来高は31M、時価総額は2.6兆円です。

一方で、SnapChatを競合視しているのは、FacebookのInstagramです。SnapChatで人気となったStory機能もいち早くInstagramに搭載するなど、勢いを持って追いかけています。

Snapの今月発表された決算は市場の失望を買うものであり、ユーザー数の伸びも鈍化していました。一部のアナリストが「買い」としたことで決算の失望売りから買い戻しが入っていますが、InstagramがMAU7億人を突破するなど順調な成長を見せる中、Snapの今後に注目です。Snapの評価に対しては賛否両論ありますが、平均出来高は31Mと非常に多く、市場から注目を集めているテック系銘柄であることは間違いないようです。

Mulesoft(ティッカー:MULE)

出典:Stockcharts.com

エンタープライズ向けのソフトウェア企業であるMuleSoftは3月17日にIPOしました。さまざまなアプリケーションやデータやデバイスをAPIを通じて結びつけるプラットホームを提供しています。年間売上高は200億円、営業利益は▲50億円の会社ですが、世界中の大企業が本サービスを利用しており、2倍成長を続けています。

IPO公募価格は17ドルでしたが、初日に40%以上値上がりし、現在の時価総額は3,000億円を超えています。

シリコンバレーにはこういったエンタープライズ向けのソフトウェア会社が多数存在している為、MuleSoftの市場での評価は、シリコンバレーのベンチャー企業の企業価値評価に影響を及ぼしてきそうです。

Alteryx(ティッカー:AYX)

出典:Stockcharts.com

エンタープライズ向けにデータ分析ツールを提供しているAlteryxは、3月20日にIPOしました。AmazonやFordといった大企業にSaaSの月額課金制でデータ分析ツールを提供しています。2010年設立で、年間売上高は90億円、営業利益は▲25億円です。年間売上高は2倍成長を続けています。

IPO公募価格は14ドルでしたが、初日に10%程度上昇、その後も上昇トレンドに乗り、現在の時価総額は1,100億円程度となっています。

今後データが増大・蓄積されていくにあたり、マーケティングや営業分析、管理においてデータ分析・活用が重要になっていくことは間違いないかと思いますが、成長のモメンタムの強さで買われている銘柄だと思いますので、顧客数などの営業KPIに陰りが見えた際には注意が必要かと思います。

Okta(ティッカー:OKTA)

出典:Stockcharts.com

またもやエンタープライズ向けですが、クラウドID・パスワード管理ツールを提供しているOktaは4月7日に上場しました。煩雑になりやすいID・パスワード管理について、一つのIDで様々なアプリケーションをシンプルかつ安全にアクセスできるようにするツールを提供しています。セールスフォースの出身者が2009年に設立した会社であり、売上高は160億円、営業利益は▲90億円です。セールスフォースやマイクロソフトが同じような競合サービスを投下する中、アドビシステムズやセンチュリーフォックスなどの企業に使われています。

売出価格は17ドルに設定されていましたが、始値は大きく上回り、現在の時価総額は2,200億円となっています。一部のアナリストは株価のターゲットを30ドルに置いています。

Yext(ティッカー:YEXT)

出典:Stockcharts.com

4月13日に上場したYextは、位置情報管理サービスを提供しており、Google Map、FourSquare、Yelpなどの位置情報サービスで例えば店舗の住所が変わったときに即座に情報を反映させるサービスを提供しています。年間売上高は130億円、営業利益は▲45億円です。

公募価格から大きく値があがったということではありませんが、時価総額は1,200億円です。ローカルリスティングと言われる市場の会社であり、潜在的な市場の大きさが評価されているように思います。ただ、上場した後から株価が大きく上昇している訳ではないことには注目です。

Cloudera(ティッカー:CLDR)

出典:Stockcharts.com

最後は4月28日に上場したClouderaです。大規模データの分散処理のフレームワークであるHadoopの最も有力なディストリビュータであり、ビッグデータ関連企業のトップとして知られています。年間売上高は280億円、営業利益は▲200億円です。

売出価格は14ドルでしたが、初日で18ドルまで達し、その後も上昇しています。時価総額は2,800億円となっています。但し、前回の資金調達ラウンドでインテルが投資した際の企業価値評価である4,500億円から大きくダウンしており、ダウンサイドIPOといった言われ方も知られているようです。個人的にはインテルがつけた企業価値評価が高すぎるだけのような気もします。

まとめ

以上6社の今年上場したテック系企業を見てきましたが、全て営業赤字であるにもかかわらず、将来性を買われた高い株価で取引されているように思います。日本の国内会社では赤字上場は数少ないですが、米国テック系銘柄に限って言えば、赤字上場が普通になっているような感じがします。


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米国株投資の勉強ブログ | 2017年5月22日