市況概況5月第3週、金利の長短スプレッドが縮小

投稿日:2017年5月21日 カテゴリー:市況概況, 週間まとめ

今週は世界的に大規模なサイバー攻撃から始まり、米国時間水曜日にはトランプ大統領の機密情報漏洩や国家安全保障担当のロシア疑惑をめぐるFBI長官更迭などの一連のスキャンダルによるトランプ大統領の弾劾リスクが浮上、大型減税や規制緩和などの経済政策への不安感が強まったことにより、一時ダウ平均は400ポイント下げる局面がありました。その後、株価指数は大きく戻したものの、米国債券利回りの長短スプレッド(長短金利差)は引き続き縮小傾向にあります。

米国株価指数

5月12日終値 5月19日終値 変化率
 ダウ 20,897 20,805 ▲0.44%
 S&P500 2390.9 2,381.73 ▲0.38%
 ナスダック 6121.23 6,083.70 ▲0.61%

主要3株価指数はすべてマイナスです。
前述のトランプ大統領弾劾リスクにより、水曜日にはダウ平均は400ポイント下落(▲1.6%)しましたが、木曜日・金曜日はその不安も少し和らいだことから買い戻され、週間比では0.4%〜0.6%程度の下落に留まっています。

米国個別株・業種別

出典:http://finviz.com/

上図は、S&P500の週間騰落率のヒートマップです。
トランプ相場でもっとも上昇した金融セクターが軟調、JPモルガンは▲2.46%、バンクオブアメリカは▲3.96%となっています。

また、シスコシステムズが▲6.7%と大きく下落しているのが目立ちます。火曜日に発表された決算で、次の四半期の売上高が市場予想を下回る見通しを示したことに市場が失望しました。業界全体が低コストのソフトウェアベースのネットワークにシフトする中、シスコシステムズの高額のハードウェア事業は課題に直面しています。

世界的に大規模なサイバー攻撃が広がった中、サイバーセキュリティ銘柄として上昇したシマンテックやファイア・アイも、週間ベースでは下落に転じています。

一方で、よい決算を発表したウォルマートは+4%と大幅高となっています。売上高が市場予想を上回ったことに加え、ジェット買収など資本投下を続けるオンライン売上高が6割増加したことが好感されました。

米国債券利回り

5月12日終値 5月19日終値 変化率
 米国2年債利回り 1.29 1.274 ▲1.24%
 米国10年債利回り 2.326 2.235 ▲3.91%
 米国30年債利回り 2.986 2.897 ▲2.98%
 長短スプレッド 1.036 0.961 ▲7.24%

経済政策に対する不透明感から、債券利回りも総じて低下しています。
特に、長短スプレッド(=米国10年債利回りと2年債利回りの金利差)が大きく縮小しています。これは、イールドカーブのフラット化を示しており、景気が転換期を迎え、今度の不透明感を表していると思います。

CME FedWatchの6月利上げ確率は現在78.5%です。

商品・ビットコイン

5月12日終値 5月19日終値 変化率
  1,227.93 1,252.70 2.02%
 原油 47.8 50.53 5.71%
 ビットコイン 1705.05 2,000.00 17.30%

金価格は大きく上昇しました。トランプ大統領リスクが鮮明になる中、一時1260台を超える水準まで買われました。6月に米国利上げが予想されているものの、米国をはじめとする地政学リスクの高まりが金価格を買い支えています。

原油価格は上昇して50ドル台を回復しています。サウジアラムコのIPOをなんとしても成功させたいサウジアラビアが5月25日のOPEC総会に先立ち9ヶ月の減産延長を表明しました。一方で、米シェール企業の石油リグ数稼働数が712機と増加し続けていることから、原油価格の上昇は鈍くなっています。

ビットコインは2,000台に載せています。

為替

5月12日終値 5月19日終値 変化率
 ドル円 113.335 111.259 ▲1.83%
 ユーロ円 123.892 124.694 0.65%
 ポンド円 146.065 145.037 ▲0.70%
 ユーロドル 1.09314 1.12075 2.53%
 ドルインデックス 99.18 97.00 ▲2.20%

ドルが売られ、ドル円は一時110円台まで買われましたが、米国株が買い戻されたことを受け、111円台まで回復しました。

一方で、ユーロが買われており、1.12台にまで上昇しています。欧州の政治リスクの緩和やECBの出口戦略への期待感が、ユーロを押し上げています。FRBが2013年にテーパリングを始めた際には一時米国市場は混乱したので、ECBの出口戦略についてドラギ総裁から何かしらメッセージがあった場合には市場は混乱する可能性があります。

なお、恐怖指数は歴史的に低い局面が続いていましたが、一時15を超える水準となりました。現在は12ポイント台まで下がってきています。


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米国株投資の勉強ブログ | 2017年5月21日