ドラギ総裁の議会証言と欧州株への資金シフト

投稿日:2017年5月10日 カテゴリー:ECB, 重要イベント・発言まとめ

オランダにてECBドラギ総裁の議会証言があり、ECBドラギ総裁の欧州経済に対する現状の見方が改めて示されました。要約すると、「ユーロ圏の景気は回復してきているとしながらも、まだ確実なものではないので、QEの出口をまだ考えるべき時期に至っていない。」とのことでした。一方で、超緩和策の政策メッセージを変更する考えを明らかにしました。

ECBドラギ総裁発言要旨

・ユーロ圏の回復は堅固さと広がりを増しており、ユーロ圏の景気は回復してきている。
・インフレ下落のテールリスクが後退しており、成長へのリスクバランスは間違いなく改善した
・したがって、ECBは超緩和策の政策メッセージを変更する。
・一方で、基調的なインフレ圧力は確実な上向き傾向をまだ示していない。
・経済が成功したと宣言するのは時期尚早であり、賃金は景気回復にまだ反応していない
・したがって、QEの出口をまだ考えるべき時期に至っていない

欧州株への資金シフト

ドラギ総裁もコメントしているとおり、ユーロ圏の景気は回復してきています。毎月発表されているユーロの経済指標も上向き傾向にあります。そんな中、Wall Street Journalに興味深い記事が掲載されていました。

投資資金、米国株から欧州株に急速シフト-Wall Street Journal

要約すると、世界のファンドマネジャーの米国株配分比率が9年ぶりの低水準になり、7週間で米株式ファンドからの流出資金規模は過去1年強で最大となったとのことです。そして、この資金の大半は欧州に向かっており、今年第1四半期の欧州のファンドへの純流入額は、5年ぶりの高水準とのことです。

FOMCは「米国の第1四半期の経済減速は一時的なものである」との見方を示していますが、米国の経済指標が強くないことは明らかです。また、米国株式のバリエーションは既に歴史的にみても高水準に推移していることから、ファンドマネージャーは米国株式に投資しにくい状況が生まれていることが背景にあります。

今年年初にかけては「欧州の政治の不透明感が相場のテールリスクになる」と言われていましたが、フランス大統領選挙も通過した中、今後は欧州株に注目が集まることが予想されます。


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米国株投資の勉強ブログ | 2017年5月10日